Case対応事例
親族間の紛争回避の為に成年後見を申立てたケース
『これで将来,紛争にならずに済みます。』
『姉が,若年性の認知症で,お店での日常的な買い物や通帳の管理,病院の入院費用の支払いなどができなくなってきた。』
という内容のご相談を,妹さんからお受けしました。
このお姉さんは,まだ60代とお若いのですが,精神的な病気も長年患っており,入退院を繰り返している状態でした。
お姉さんは,息子さんに預金通帳を預け,必要費や入院費用の支払をするように頼んでいたのですが,その息子さんは支払いが遅れることが多く,連絡も取れないこともしばしばあったようです。このような状態であったため,妹さんが入院費用を立替えて支払うことが続いていました。
妹さんは,今後ずっと,自分が立て替続けることは,自分の生活にも影響があるし,姉の息子が立替えた分のお金を払ってくれなかったりしたら大変だということで心配しておられました。
また,妹である自分が姉の通帳等を預かり,施設利用料や入院費用等を支払っていくことも考えたが,姉の息子達から,『おばちゃんが,お金を勝手に使っている』などといった文句や疑いをかけられ争いになるのもとても不安だと仰っていました。
そこで,私の事務所へ相談に来られ,通帳の管理や施設利用料,入院費等の支払を第三者である,専門職後見人(司法書士・弁護士)に全面的に委ね,ご自分が疑いをかけらたりして将来紛争になるのを防ぎたいという事でした。
この事案については,私自身が成年後見人候補者になり,家庭裁判所へ申立てをいたしました。
私は,成年後見の専門職司法書士として,宮崎家庭裁判所の名簿に登載されております。名簿登載者は専門家として裁判所から認められた者であるため,名簿登載者が候補者として申立てをすれば,ほぼ確実にその者を後見人に選任する旨の審判が出ます。
ですので,相談の段階からしっかりと事情を知った者が後見人となり,また,相談者である親族の方々も後見人の人柄を知ったうえで,申立てをすることができるのです。
全く知らない司法書士や弁護士が突然やってきて財産を全て持って行くのは不安だとおっしゃる方々が多いのは当然のことだと思いますが,上記のように,裁判所に認められている専門職後見人(司法書士・弁護士)に,最初の相談の段階から関わることで,その不安を無くすくことができます。